老人愛   

父には67才の時に新しい恋人ができました。
母が癌で他界して半年目のことです。
母の看病時は父なりに頑張ったと思います。
40年近く連れ添った妻がもう治らない病気だと知らされた心境は、子供の私にも分かりません。
でも
一周忌も終わらないうちに、以前から趣味だった社交ダンスにまた通い始めました。
その教室のお仲間と恋に落ちたのです。
知らない人や近所の方、そして私たち子供や孫は呆然となりました。
彼女と楽しそうに踊っている父の写真を見つけた時、
学生時代だったら、父に当てつけでぐれてやる!と思ったかもしれません。

もう大人の私たち姉妹は、温かく見守るしかありませんでした。
それから父が他界するまでの16年位の年月を二人はパートナーとして連れ添っていました。
あるときは同棲、あるときは同じ老人マンション。
父の最期は私が一緒に暮らして看取りました。
その時、彼女は体調を崩し入院中でした。

私は、父と彼女の関係を羨ましく思います。
二人にとって、両方のつれあいが亡くなった後の第二の人生を楽しく支え合うことが出来たのですから。
父は亡くなる3年程前から、持病のパーキンソン病を抱えた老人でした。

彼女の老人ホームに会いに行く時は、背筋を伸ばし、杖を使わず歩いていました。
元気でいたい。元気で会いたい。
これが老人愛の力なのです。

その彼女は、父が亡くなってから、郊外の老人施設へ。
先日はちょっと早めのクリスマスプレゼントを持って会いに行きました。
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施設もクリスマス色で綺麗。
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彼女は元気でした。皆と楽しそうに食事中で、私の顔を見ると笑顔で手を振ってくれました。

老人愛。
私は、この二人の付き合い方に感謝しています。
いろいろ複雑な思いはしましたが、双方のお墓にお参りをして、ちゃんとけじめをつけ、相続時にお互いの家族ともめる事もなく、二人のお金は全部二人で楽しく使っていました。

私は、ひとりの女性として、父の恋人だった人として、そして、いつか私も通る道の先輩として、
これからも、時々会いに行きます。
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by k2kikiya | 2010-12-02 07:10 | ひと

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